相談を増やす前に、何を受け付けるか明確にする

空き家の所有者は、価格だけでなく、相続、片付け、修繕、遠方からの管理など複数の困りごとを抱えていることがあります。売却をすぐ決められる人だけを対象にすると、準備段階の相談に応えにくくなります。不動産会社は、自社が回答できる範囲と、専門家へつなぐ範囲を先に整理しましょう。

この記事は、集客効果を保証する広告手法ではなく、地域の所有者が相談しやすい情報と対応の作り方を提案するものです。問い合わせ数や成約率の実績は、実際に記録したものだけを使い、根拠のない成功事例や目標達成の数字を掲載しないことが基本です。

地域の数字を、相談につながる説明にする

空き家率と売却物件数を区別する

総務省の住宅・土地統計調査では、空き家には賃貸用、売却用、二次的住宅、それらを除く区分が含まれます。空き家総数を「今すぐ売れる物件数」として広告に使わず、どの区分の何年の数字かを明記します。地域別の空き家統計は、その説明に使える出典付きの入口です。

地域名を差し替えただけのページを増やすより、その地域の数値、確認できる相談窓口、自社の対応範囲をまとめる方が、読者が次の行動を決めやすくなります。統計だけでは分からない価格や需要を、事実のように補わないことが大切です。

所有者の疑問に沿って記事を作る

「相続した家を売るには何が必要か」「建物を壊す前に査定を受けるべきか」「家財が残っていても相談できるか」など、実際の相談で聞かれる問いを整理します。制度の説明には国税庁や法務省などの公式資料を付け、確認日を残しましょう。

相続や税金について営業担当が個別判断を断定する必要はありません。相続空き家の売却のように、一般的な手順と専門家に確認する点を分けて説明すると、相談の準備を支援できます。

売却相談ページに載せたい内容

対応範囲と相談後の流れ

対応エリア、物件種別、仲介か買取か、相談の受付方法を具体的に示します。フォーム送信後、誰が何を確認し、どの段階で訪問や査定に進むかを説明してください。回答時期や無料の範囲を載せるなら、自社で実際に守れる条件に限ります。

電話、フォーム、メールなどの連絡方法は、担当者が管理できるものを選びます。窓口を増やしても返信漏れが起きるなら、相談の体験は悪くなります。休業日や担当者不在時の引継ぎを決めることも、広告の出稿と同じくらい重要です。

初回に必要な情報を絞る

最初からすべての書類を求めるより、所在地、所有者との関係、現在の状況、希望する相談内容を受け付け、必要な資料を次の段階で案内する方法があります。不明な項目は「分からない」と回答できるようにし、事実を推測で入力させない設計にします。

個人情報を取得する際は、自社の利用目的や取扱い方針を明示し、必要な範囲にとどめます。相談内容を事例として公開したい場合は、取引の同意とは別に、掲載内容と範囲について許可を得てください。

地域の専門家と連携する

相続登記は司法書士、税の適用は税理士、建物の状態は建築士や工務店など、相談に応じて専門家の確認が必要です。紹介先を用意するときは、対応範囲、料金、紹介の方法、所有者の情報を共有する条件を確認しておきます。

国土交通省の「不動産業による空き家対策推進プログラム」は、不動産業が担う流通・利活用支援を整理しています。これを自社の業務を考える参考にしつつ、自治体と連携している、行政公認であるなどの表現は、実際の契約や指定がない限り使用しません。

自治体や業界団体の窓口に相談する際も、地域でどう役立つかを説明できる資料を準備します。単にリンク掲載を求めるだけでなく、調査の進め方、データの限界、住民の相談にどう対応するかを示すと、検討に必要な情報を渡せます。

所有者への案内は、確認と配慮を組み込む

建物が空いていると断定しない

外観写真やAIの判定は、空き家の可能性を調べる手掛かりです。居住状況や所有者の事情を確認できない段階で「放置している」「売るべき」と決めつける案内は避けます。調査の目的と会社名、連絡先を示し、相手が相談するか選べる文面にしましょう。

連絡先と送付履歴を管理する

登記情報を調べた場合も、その住所が現在の連絡先か、名義人が存命かは別に確認が必要です。送付先、確認日、返信の有無、連絡不要の申し出を記録し、同じ相手へ重複して案内しないように管理します。共有情報を社外へ渡すときの取扱いも確認してください。

実際の文面を作る際は空き家所有者へのDMの考え方を参考に、自社が提供する内容だけを書きます。期限を強調して不安をあおる表現や、税負担を一律に断定する説明は避けましょう。

集客の評価は、相談の質と対応まで追う

問い合わせ数だけを増やすと、対応地域外や提供できない相談が増えることがあります。次の項目を、同じ定義で継続して記録すると、改善する場所が見つかります。

  • どの記事や紹介元を見て相談したか
  • 所有者が困っている内容と、希望する時期
  • 初回回答、必要資料の案内、現地確認が済んだか
  • 自社対応、専門家紹介、相談終了などの次の状態
  • 対応できなかった理由と、案内を直すべき点

記録は所有者を急がせるためではなく、対応の抜けを見つけるために使います。担当者ごとに「相談」「査定」「成約」の意味が違うと比較できないため、集計の定義も決めておきましょう。

小さな改善を順番に試す

まず既存の相談窓口と地域ページを整え、問い合わせ後の対応が回ることを確認します。そのうえで、記事、地域の案内、紹介、DMなどを試し、問い合わせの内容と対応負担を比較します。一度にすべてを変えると、何が役立ったか判断しにくくなります。

広告文やページに事例を使うときは、会社名、担当者名、物件写真、数値のそれぞれについて許諾範囲を確認します。事例がない段階では、自社の手順や提供資料を説明できます。実際のお客様の声を想像して埋める必要はありません。

調査業務にアキヤーを組み合わせる場合

アキヤーは地図で指定した範囲の建物をスキャンし、空き家候補を住所・外観写真・AI判定スコア付きで提供します。納品は3〜5営業日が目安です。候補の発見や売却相談の獲得、成約を保証するものではなく、不動産仲介も行いません。

オプションには登記情報との照合1件500円、DM送付代行1件980円があります。調査の予算と、自社で行う現地確認・相談対応を分け、料金表で月額プランと最低契約期間を確認してください。仕入れ方法の解説も合わせて検討できます。

出典

資料の確認日:2026年10月5日。集客施策の手順は編集部の提案であり、実績値や効果保証ではありません。